「愛と哀しみのエスパーマン」 秋田禎信

フラレタことにより超能力に目覚めた主人公
そこへ、金郷地という男が突如現れ、エスパー戦隊に入れと言われる
さらに、世界征服を企む叔父と、それに振り回される姪
という、完全ドタバタギャグなノリの作品
哀しみにより能力に目覚めた主人公は、哀しい時にしか力を発揮できないので
「哀しみのエスパーマンは哀しみによって力を発揮する。さあ哀しめ」
「いーやーでーすー」
強引な金郷地に振り回されることになるのであった

「神様のパズル」 機本伸司

平均より下の大学四年生の主人公と、ヒロインの天才少女が
宇宙を作ることは出来るのかを、考えていく
この組み合わせだけでも中々美味しいものがあるよねw
しかしまー、キャラ造形はライトなのに、かなりハードなSFだよ
物理学がこれでもかと言うほど出てくるものの、案外サラサラ読める
物理学が基本ながら、哲学というか人間の心という辺りにも光が当たってる
考えすぎることなく、当たり前のことは受け入れるのが一番だなって思った
まあ、この本は人を選ぶと思うのであんまりお勧めはしないでおきますw
あと、これを読んでるときに、頭にハルヒが浮かんだことだけ書いときます

「狼と香辛料」 支倉凍砂

電撃小説大賞<銀賞>受賞作で、中世ヨーロッパ風の世界を舞台に
狼の耳と尻尾を持った豊穣の狼神ホロと行商人ロレンスが危ない橋を渡りつつ金儲け
ライトノベルでここまで経済を書いてるのは初めてみたな、タメになります
格闘がほぼ皆無なので、そういうのが好きな人は読まないほうがいいが
逆に頭脳戦が好きな人なら楽しめると思う、なので俺的には満足
それにこの作品のメインはなんといってもヒロインであるホロの可愛さに有り!
このライトノベルがすごい!2007」キャラクター部門1位にも選ばれるくらいでありんす
老獪さと可愛らしさの共存、ギャップって大切だねということを教えてくれます

「時をかける少女」 筒井康隆

読んでみました、調べてみたら中編ぐらいだと分かったからね
一冊の中に三つの話が入ってると知った時は驚いた、一冊分ぐらいはあると思いこんでたから
そしてそれなら読んでみても良いかなと、すぐに読めそうだし、他二つを読んでも読まなくても良いし
で、読んでみた感想なんだけど、結構「ええっ!?」って驚くというか、突拍子もないというか
そんな理論で良いの?っていうか、それは現実離れしすぎじゃないかって思ってしまった
でもこれって1965〜66年にかけて連載されてるんだよね、そう考えたら御見事だな
今から考えると稚拙な理論っぽいんだけど、当時では画期的だったんじゃないかな
これね、人気があるっつーか、映像化されることの多い作品なのも分かる気がする
109ページと映画にするにもドラマにするにも、良い感じの長さだし
出てくる舞台は学校の校舎と家がほとんどという、映像化しやすい感じだし
シンプルな構成だから演出次第で、いくらでも色を付けれそうだし
過去に何度も映像化されている作品なだけあるなと感心した

「おまけより割引してほしい -値ごろ感の経済心理学-」 徳田賢二

いや〜面白かった、人はどんな時にそれを値ごろだと思うのか、という分析だね
値ごろ感=価値÷費用という公式は当たり前ながら面白い、つまり値ごろ感を高めるには価値を上げるか、費用を下げるか、両方やるかの三択しかないということだ
おまけより割引の方が嬉しいのは500円のものが400円になったとき、400円で500円の価値のものを買えたので、500÷400=1.25なのに対し、500円のものに100円のおまけをつけた場合は500円で600円の価値のものを買えたことになるので、600÷500=1.2となる
よっておまけよりも割引の方が値ごろ感が高くなるわけだ、500円のものにおまけをつけて割引と同じ値ごろ感を出すには125円のおまけをつけなければならない
さらには目に見える費用=お金、目に見えない費用=時間・埋没費用、があり
人はそれらを頭の中で計算してものを買う、いや当たり前なんだろうけど意識する機会は中々ない
ちなみに埋没費用というのは新しい物を買ったら、まだ使える古い物を破棄するコストのこと
他にも衝動買いの心理なども紹介されてる、衝動買いをしないため、もしくはさせるためのテキストとしても良いのではないかな
衝動買いは生活必需品や専門性の高い商品では起こらないし、値段が高くても起こらない、それ以外の商品で失敗しても大打撃を受けない金額で起こる、とかね
衝動買いを誘う仕掛けどころベスト10ってのは読む価値有り
日本人は「ついでに〜〜する」というのが好きとか、ハッとさせられるね
この本に書いてあることをスーパーなどで実際にやっている例が浮かぶくらい身近な題材だけに、実生活に置いても役に立ちそうだ

「レイン 雨の日に生まれた戦士」 吉野匠

一言で言うならば剣と魔法の世界、大まかに言えばファンタジーだね
レインと王女のラブコメ分が2%、戦闘シーンが88%、他10%ってところか?(超適当)
主人公のレインは7人居る上将軍の中で唯一の平民出身で、周りからは余り良く思われていない(本人は気にしちゃいない)が、大貴族であり同じ上将軍でもあるラルファスとは仲が良い
二人とも武術にも戦略にも優れているが、王様がダメダメであるため敵の大軍に奇襲をかけようとする
レインはそれに反対し、謹慎を命じられ、城に残る事に
そしてラルファスは負けると分かっているが、それでも出陣する
敵との戦いの時に上将軍の二人が裏切り、壊滅状態になる
ラルファスはここを死場と決め、突撃を仕掛けようとした時にレインの策によって助けられる
その後はレインと仲の良い王女を王に据えて、レインとラルファスの二人で、隣国ザーマインとの戦いが始まる

とまあ、簡単に言うと無能な上役や同僚という重しがなくなった二人の騎士が
数に勝る隣国ザーマインとの戦いに挑む形になるまでってところかな
新たな上役の王女は二人(特にレイン)に全幅の信頼を寄せているし
後、因縁の対決なんかもあったりね、今後のライバルとなるでしょう、ザーマインの王レイグル
ほのかにラブコメの要素も散りばめてある、まだ開花してないけど、今後に期待

「食前絶後!!」 ろくごまるに

幼馴染の少女、立野徳湖から放課後に渡された、激マズの弁当を食べたことから
調味魔導継承者争いに巻き込まれる主人公、北浜雄一
調味魔導とは味、つまり味覚に働きかけることにより、色んな力を発揮させる技術で、たとえば、人間は、梅干しの味のするものを食べたとしたら、つばが出る。……では、「筋肉を高速で収縮させる味」「反射能力を極限まで上げる味」「出血を抑える味」というものがあるとしたら、人体はそのように反応するのではないか? という発想から生まれたのが調味魔導である
その後も、聴覚や視覚など五感魔術の使い手が現れて、最強最悪の視覚魔術使いデイレルとの戦いに巻き込まれていく主人公、北浜雄一
独特の文体とテンポで進む、かなり異色な作品、読む人を選ぶと思う
好きな人は好きだし、嫌いな人は嫌いだろうなって感じ、両極端だと思う
俺は割かし好きなんだけどねこういうの
ちなみにタイトルの読み方は「くうぜんぜつご」である